全国のお城の入城者数(入場者数・観光客数)調査レポート【2021年版】

攻城団では毎年全国のお城(具体的には自治体や管理運営団体、観光協会等)にヒアリングをして、それぞれの入城者(入場者、入館者、入園者等)数を調査・集計しています。
お城によって「年」だったり「年度」だったりと集計期間が異なるので、年度集計の締めが過ぎた4月から調査をはじめ、ある程度の情報が揃ったタイミングで公開しています。

以下、今回のレポートをご覧いただく前の注意事項です。

  • このランキングは「2020年(1月〜12月)」もしくは「令和2年度(2020年4月〜2021年3月)」の数字を集計したものです
  • 数値については自治体等の発表資料や新聞報道を参照したほか、直接メールやFAX等でヒアリングをおこなっていますが、回答が得られなかったお城は対象外としています
  • 集計中や発表時期が夏以降と回答があり、発表日に間に合わなかったお城も対象外としています(翌年の発表時に反映させます)
  • 入城者数のカウント方法についてはそれぞれのお城ごとに異なっており、有料入城者数(=チケット販売数)のみのお城もあれば有料と無料を合算して発表されているお城もありますし、無料で見学できるため推計で発表されているところもあります

昨年発表したレポートでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による外国人観光客大幅減少の影響は「年度集計」のお城に限定されていましたが、今回はすべてのお城に影響が現れています。
とりわけ2020年4月からの度重なる緊急事態宣言の発出の影響は大きく、一時的にGoToキャンペーンで国内旅行は回復したものの、その反動もあり昨年末から今年は都市部ではほぼずっと緊急事態宣言下にある状況がつづいているため(今年に入ってからの影響は年度集計のお城のみ)、ほとんどのお城が前年比で7割減〜8割減と大きく下回っています。

そのため今回発表する数値は異常値ではあるのですが、継続的に記録することが重要だと考え発表することにしました。
これらの点も留意しつつ、データを参照していただければ幸いです。

では2021年版、全国の入城者数ランキングを発表します!

2021年 全国入城者数ランキング(有料のみ)

これまで4年連続1位だった大阪城(大阪府大阪市)が約9割減という結果(今回7位)だったため上位が入れ替わっています。
今年のトップ3である1位の二条城(京都府京都市)、2位の名古屋城(愛知県名古屋市)、3位の姫路城(兵庫県姫路市)はそのまま前年の2位〜4位でしたので、大阪城が抜けた関係で繰り上がっていますが、いずれも前年を大きく下回っています。
(それぞれ前年比で二条城が-71.0%、名古屋城が-74.3%、姫路城が-74.8%)

順位城名2020年/令和2年度前年比
1二条城597,490-71.0%
2名古屋城523,612-74.3%
3姫路城390,171-74.8%
4彦根城350,968-52.2%
5会津若松城267,403-54.3%
6犬山城264,252-56.0%
7大阪城241,229-88.9%
8首里城215,717-79.5%
9小田原城213,281-63.2%
10松江城209,962-53.0%

トップ10のお城のうちもっとも減少幅が大きかったのは大阪城(-88.9%)でしたが、もっとも少なかった彦根城でさえ-52.2%と半減しています。
(ちなみに昨年もっとも大きく前年比を割り込んだのは火災事故のあった首里城の-40.8%でした)
実数で見ても、二条城の597,490人は去年のランキングだと9位相当ということからもコロナ禍による観光への影響の大きさがわかります。なお大阪城の減少幅の大きさはインバウンドへの依存度が高かったためと分析しています。

なお例年NHK大河ドラマの舞台となるお城は観光客が大幅に増えるのですが、「麒麟がくる」関連のお城では14位に一乗谷城(福井県福井市=復原町並の有料入場者)が、15位に福知山城(京都府福知山市=天守閣の有料入城者数)が入っており、とくに福知山城は臨時休業などもありながらも前年比7.9%増で過去最多の入館者数となっています。
また今回は松本城(長野県松本市)や弘前城(青森県弘前市)など、例年上位に入るお城の数字が把握できなかったので、中位以下のランキングについては正確ではないかもしれません。

2021年 総合ランキング

こちらは無料で見学できるお城(城址公園など)も加えたランキングとなります。
昨年1位の金沢城公園(石川県金沢市)や例年上位の米沢城(山形県米沢市=上杉記念館、上杉博物館、上杉城史苑、上杉神社の合算値)の数字が取得できなかったので、参考程度となります。

有料版のランキングに食い込んだのは4位の江戸城(東京都千代田区=皇居東御苑の入園者数)、6位の玖島城(大村公園=長崎県大村市)、10位の仙台城跡(宮城県仙台市)の3城です。

順位城名2020年/令和2年度前年比
1二条城597,490-71.0%
2名古屋城523,612-74.3%
3姫路城390,171-74.8%
4江戸城358,276-84.0%
5彦根城350,968-52.2%
6玖島城318,910
7会津若松城267,403-54.3%
8犬山城264,252-56.0%
9仙台城254,00099.1%
10大阪城241,229

総評、注目のお城など

今回はほぼすべてがコロナ禍の影響であり、個々のお城の取り組みなどについての分析の余地がないため、総評は割愛します。
おそらく来年発表するランキングも今回同様あるいはさらに悪化している可能性が高そうですが、良いときも悪いときも事実は事実として記録を残していくべきだと考えています。

春に発表した、攻城団がJTBと取り組んでいるコラボツアーもいまだ催行がままならない状況が続いていますが、動画配信などの取り組みも含め、さまざまな手段で観光需要を挽回するための支援策を今後も拡充していきます。

なぜ攻城団が調査するのか

これまでお城の入城者数ランキングとして発表されてきたのは全国城郭管理者協議会が発表するものが中心で、加盟城郭に限定されたものでした。

ではなぜ攻城団がわざわざ調査をして発表するのか。

これは「スタンプのない『日本100名城』以外のお城の訪問記録も残したいから攻城団をつくった」のと同じ理由です。
ぼくらは「わかりやすさのためにあえて絞ること」を否定しません。攻城団でも「制覇モード」という機能を用意して、初期状態では知名度の高いお城だけが検索結果に表示されるようにしています。初心者にとって多すぎる選択肢は不親切でしかないとぼくは考えています。

ただし非表示にしたお城も確実に存在していたのです。そのお城にも歴史があり、現地では見学しやすいように整備をしたり案内板や城址碑を建ててくださっている方々がいらっしゃいます。

そこで攻城団は特定の基準にとらわれず、可能なかぎり対象を広くとって調査をおこない、お城を大事にされている方々の成果も記録していこうと決めました。
そして数字を把握し共有するだけでなく、長くマーケティングに携わってきた知見を活かしながら「なぜ伸びたのか(落ち込んだのか)」の考察も加えて、より多くのお城関係者のみなさんにとって役立つ存在になりたいと思っています。

攻城団では現地で開催されるイベント情報や日々の天気のデータも記録していますし、団員が残してくれた膨大な写真やコメントもあります。こうした定量・定性情報を組み合わせつつ、お城を観光振興に活かす成功モデルを構築していきたいのです。

ぼくらが目指しているのは「じっさいにお城に訪問する方を増やす(そして満足いただき再訪問率も高める)」ことなので、全国各地の観光再生にたずさわっていければと思っています。
ありがたいことに日々の活動の中で多くの自治体や観光協会の方々との接点が生まれています。そのご縁を頼りに来年以降も、攻城団では可能なかぎり多くの城・城址(管理事務所や自治体の広報課、観光協会等)に問い合わせて、各地を訪問した観光客の数値を把握して発表していきます。関係各所のみなさまにはお忙しい中恐縮ではございますが、ご協力をお願いいたします。

ぼくらは攻城団を、利用者にとって楽しく便利なだけでなく、現地の方々にも喜ばれるようなサービスに育てていきたいので、引きつづきご支援くださいますようお願いいたします!

今回集計したデータ

全国のお城にご協力いただき集計したデータを以下に公開します。

最新のレポートをご参照ください

調査概要

調査期間2021年4月23日〜2021年8月24日
調査方法弊社より対象自治体・観光協会にアンケート票をFAX送信。回答票をFAXにて回収。
調査件数330件 ※「不明」含む
回答件数134件(回収率40.6%)

送付できなかった、回答が得られなかったお城のうち、一部は新聞報道や自治体のサイトで発表された資料を参照して入力しました。

入城者数把握のむずかしさ

「入城者」といってもじつは統一された基準がないということをあらためて説明しておきます。
天守等の有料エリアの場合、チケットの販売数で確実な数字が出せるものの、招待チケットや無料招待日などがあると誤差が生じます。そして城址公園など無料エリアについては、たとえば近隣住民が犬の散歩で毎日訪問していた場合にもカウントするのかなど、こうした観光客以外の入城者(この場合、来園者)を含めるかどうかの基準が決まっていません。山城などは赤外線センサーでカウントしているところもありますが、どのくらい正確に計測できているかは疑問です。

お気軽にお問い合わせください

攻城団では常にプロモーションする側(みなさま)とされる側(読者・利用者)の双方が納得し、また最大限の効果を発揮できるよう、細部にわたるまで入念に企画を立案いたします。検討の結果、お断りせざるを得ないこともありますが、まずはお問い合わせください。
また常に新しい取り組みを模索していますので、掲載されていない施策についてもお気軽にご相談いただけますようお願いいたします。
みなさまのブランドを毀損することなく、ファンの拡大につながるように我々にお手伝いさせてください。

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